2025.04.26 Saturday

近江一文字をきっかけに【杖】と【商助】を繋いでほしい

「杖で人生を支える仕事」──その裏側にある、僕の物語


こんにちは。近江一文字という杖の専門店を営んでいる、林 知史と申します。

この文章を読んでくださっているあなたは、もしかすると「何か人の役に立つことをしたい」と思っている方かもしれません。あるいは、「今の働き方に違和感を感じている」「本当に意味のある仕事がしたい」そう感じている方かもしれません。

このページでは、僕がなぜ“杖”というニッチな商品を選び、そして、どんな想いでこの仕事を続けているのか。そして今、どんな仲間と一緒に全国に広めていきたいのか、そのすべてを、正直にお伝えさせていただきます。


■ かつて、僕は「倒産寸前」でした。

もともと僕は、中古品を扱うビジネスをしていました。しかし、詐欺に遭い、資金繰りが回らなくなり、納税のタイミングで資金ショート。そのまま、倒産寸前のところまで追い込まれました。

「このままでは、本当に終わるかもしれない…」

そんな中、考えたんです。次にやるなら、“流行り廃りのない本質的なもの”、“お客様の悩みに寄り添えるもの”、そして、“本当に意味のあること”をやりたい、と。

そして、出会ったのが──「杖」でした。


■ きっかけは、祖母の死でした。

最初は、ただの商材としてしか見ていませんでした。ですが、その考えが180度変わったのは、ある出来事がきっかけでした。

それは、僕の祖母が、ちょっとした転倒をきっかけに、大腿骨を骨折してしまったことです。

その後、寝たきりになり、そして、ほどなくして亡くなってしまいました。

「もし、あの時 杖を使っていたら…」僕の中で、ずっと残っている後悔です。

調べてみたら、毎年、2〜3万人もの高齢者が転倒で命を落としているというデータもありました。

その瞬間、「これは、ただの商売じゃない」と思いました。“命を支える杖”なんだと。


■ でも、最初の1年は、まったく売れませんでした。

当時はまだ、自宅兼オフィスの玄関に杖を並べて、来客を待つというスタイルでした。

1年間で、見に来てくれたお客様は、たった1組。しかも、その方も何も買わずに帰ってしまいました。

広告を出す余裕もなく、知名度もない。僕は、杖のことも売り方も、何も知らなかった。

それでも、諦めきれませんでした。


■ ある日、1本の電話が鳴りました。

「杖、まだありますか? 家まで持ってきてもらえますか?」

電話の主は、近所のおじいちゃんでした。

僕は、杖を持って会いに行きました。実際に手に取ってもらい、その場で気に入っていただき、購入してくれました。

それが、僕が初めて売った、たった1本の杖でした。

売上としては、たった1本かもしれない。でも、僕にとっては「本当にこの仕事をやっていこう」と思えた、最初の1歩でした。


■ 「取引してくれない」日本のメーカーとの壁。

そこから本格的に事業をやろうと思って、国内の杖メーカーに片っ端から連絡を取りました。

でも、返ってくるのは決まって、こうでした。

「実績がないからダメです」
「ネット販売はうちはNGなんで」

門前払いの連続でした。

「他社には楽天で売らせてるくせに、新規のネット販売はダメなんか…」納得のいかないやりとりが続きました。


■ 海外の整形外科医が作った「本当に支える杖」との出会い。

そこで僕は、思い切って海外メーカーに目を向けました。そうして出会ったのが、今も主力商品の一つになっている「パワーステッキ2G」でした。

開発者は、アメリカの整形外科医の社長さん。

「今の杖は、体のバランスを崩してしまう。
だから、自分で本当に使いやすい杖を作ったんだ」

彼の言葉に、僕は強く共感しました。同じ“違和感”と“使命感”を持っている人が、遠くにいた。そして僕は、その人の杖を、日本で広めることを決めたのです。


■ 今、僕と同じ想いを持って、歩き出した仲間がいます。

愛知県の豊橋市で、脳梗塞リハビリ専門の施設を運営している理学療法士の戀田祐司さん。

彼は、こう語ってくれました。

「患者様が“自分に合う杖が見つからない”と悩まれていたことが、導入のきっかけでした。
近江一文字の杖は、調整の自由度が高く、初回の歩行練習から自信がつく方が増えています。
結果として転倒不安が減り、自宅や外出先での活動も前向きになっています。」

こうした“現場のプロフェッショナル”との共創が、今、全国に少しずつ広がりはじめています。

戀田祐司さんの感想全文はこちら


■ だからこそ、僕ひとりでは限界があります。

これまで、近江一文字という屋号のもと、地道に杖の魅力を伝えてきました。本当にたくさんの感謝の言葉をいただきましたし、「やっていてよかった」と心から思える瞬間も、たくさんありました。

けれど、現実には…僕ひとりの力だけでは、届けられる範囲に限りがあります。

日本中には、今まさに杖を必要としている方が、たくさんいます。

「歩きたいけれど、怖くて外に出られない」
「家族に迷惑をかけたくない」
そんな悩みを抱えながら、今日も一歩を踏み出せずにいる人が、各地にいます。

だからこそ、僕と同じ想いを持って、地域で杖を届けてくれる仲間を必要としているんです。


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どうぞ、あなたの街にも、“支える杖”を届けていただけたら嬉しいです。

── 林 知史 / 近江一文字代表